大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)1197 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

上告費用は上告人等の負担とする。

理 由

上告代理人登政良の上告理由について。

論旨は、原判決に理由齟齬の違法、実験則違反があると主張する。

原判決を検討するに、原審の事実認定は、上告会社の経理係の責任者たる地位に

在る使用人であつた訴外Dが、上告会社及びその社長である上告人A個人より、資

金を得るため金額一五万円を限度とする約束手形を上告会社名義にて振出し、七告

人A個人名義にてこれを保証する行為をすることを委託せられた上、約束手形用紙

に所要の印章の押捺を受け、上告会社及び上告人Aを代理してこれに振出及び保証

のため、それぞれ本人の記名をして被上告人に交付したものであり、当初、金額、

満期日その他が空白であつたけれども、右訴外Dが離職した際、事務引継のため、

権限ある後任者の諒解を受けて、これ等の空白を補充したものであるとの趣旨と解

すべきである。

されば、訴外Dが原判示手形の空白を補充したことは、右手形の振出、保証と共

に、原判示委託の趣旨にしたがつた代理行為であり、原審がこれを有効としたのは

正当であつて、これに所論の違法はない。

論旨は、理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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